大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和28(ク)154 決定

主 文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に

抗告を申立てることを許した場合に限られる。そして民事事件については、民訴四

一九条ノ二に定められている抗告のみが右の場合に当ることは、当裁判所の判例と

するところである(昭和二二年(ク)第一号同一二月八日決定参照)。従つて、最

高裁判所に対する抗告申立には同四一三条は適用がなく、その抗告理由は同四一九

条ノ二によつて、原判決において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかし

ないかについてした判断を不当とするものでなければならない。ところが、本件抗

告理由として、原決定は国民の人権を無視し憲法違反であるとの記載があるが、具

体的に憲法の如何なる条項に違反するかを明らかにしないのみならず、その実質は

手続違背を主張するにすぎないから違憲の主張には当らない。よつて本件抗告を不

適法として却下し、抗告費用は抗告人の負担とすべきものとし、主文のとおり決定

する。

昭和二八年七月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!